情報活用能力の育成
再び臨時休校になったら
とるべき対策は?

.

2020.7.19


メディアリテラシーの部屋へ



赤来中学校2年生対象の
要約学習が先日ありました。
授業前半は「文章を図式化」⇒プレゼン。

後半は
指導者のプレゼン「新型コロナの経緯と不思議」を
図式化しながら聞いて
再現プレゼンをする。

さらには
指導者が提示した学習課題
「再び臨時休校になった場合
授業の遅れを出さないために
どのような対策が考えられるか?」
について
図式で自分の考えをまとめ ⇒プレゼン。


今回はこの後半を紹介します。






聞き取り図式
指導者のプレゼン
「新型コロナウイルス感染症」
〜これまでの概要と不思議2件〜
を聞きながら
図式を書く。
(7分間の話)

2人組みで
相互にプレゼンし合う。
(各40秒)


下の図式を基にプレゼンしました。









生徒に与えた課題
再び臨時休校になったら
さて
どんな対応策が考えられるか?

提言




少人数にして授業を実施する


@ 教室内の生徒数を少人数にするため、1・2年生は「分散登校」(午前と午後に分ける)にする。

A 教室内の生徒数を少人数にするため、1・2年生は教室(隣同士)を2か所に分けて授業をする。

B 1・2年生は人数が多いので、授業を体育館にしたり、青空教室にしたりしてマイクを使う。。

.


1年生が23名
2年生が24名
3年生が12名

臨時休校中であっても
なんとか授業をしようという発想です。

教室が過密とも言えませんが
感染防止策として
10人程度に設定する案です。

@については
都会では行われていたケースがあります。
ただ
授業が一日3時間〜4時間という
問題点があります。

Aについては
複式学級「わたりの授業」の発想です。
授業者が二人の教科(英語と数学)は
授業者が協力しあいながら授業を進めたり
完全に2つの授業にして
同時展開という方法も考えられます。

授業者が一人の教科は
授業の進め方に工夫が必要です。

Bについては
小規模校の特権ですね。
ただ
青空教室は天候面
健康面に課題があるので
単発的な実施が限界かな?

ということは
1年生と2年生と
同時に体育館が使えないので
片方はどうしても
教室を活用する(A)ということになります。











映像を活用した授業


C オンライン授業をする。 [注]赤来中は環境整備が十分整っていません。

D ユーチューブを使って授業をする。

E ケーブルテレビを使って授業をする。

.


Cについては
マスコミでも取り上げ
実践例が紹介されています。
大学では普通に行われるようにもなっています。
近隣の学校でも2校
4月に試みられています。

赤来中では環境が整っていないので
現状では無理ですが
現在
環境整備について検討中です。

実施された中学校に様子を聞くと
リアルタイムで相互交流の授業が可能。

だが
指導者の工夫と熟練が必要。
慣れるまでは
準備など指導者の負担が大きい。
また
実施した方の印象では
30分間が限界とのことでした。

いずれにしても
オンライン授業のシステム構築は
臨時休校中の授業実施ということ
以外にも
今後必要不可欠なシステムだと思われます。


DEについては
一方通行ではありますが
何もしないよりは
児童生徒の学力保障という視点から
活用を模索する必要があります。

ただ
小学校1年生から中学校3年生まで
すべての授業をカバーすることは困難。
どのように構築していくのか?
そこが課題となりそうです。


Fについては
一方通行だけに
授業者の力量が問われます。
そういうこともあって
極端に言えば
教育事務所ごとに
同じ教科書を使っているので
県教委が教科書に沿って
各教科
指導のエキスパートに依頼して
映像を配信する方が
現実的かつ効果的かと思われます。









プリント(課題)学習


F 毎日課題プリントを出し、毎日親が学校に取りに行ったり届けたりする。先生は毎日チェックする。

G 登校が難しい場合は、学校の「時程」に従って家庭で学習・活動をする。服も制服に着替える。

.


Fについては
3月と4月の臨時休校で
実際に行われていた方法です。

ただ
課題の点検は
学校から先生が出向いて
課題の回収や配布を行っておられました。

これでは
どうしても間隔が開く(週1回の訪問)ので
生徒の方から
保護者がすべきことという案を
提示したと思います。

Gについては
生徒一人一人の自主性・主体性
自己コントロールの力が求められます。
個人差が大きい方法だとは思いますが
制服に着替えるという発想は
なかなかですね。













部活動をどうするか?


I 運動部は、自分たちが決めたトレーニングを各自が自宅で行う。

J 吹奏楽部は楽器を家に持ち帰り練習するとともに、毎日テレワークミーティングを開く。

.


3月・4月の臨時休校の時には
スティホームが声高に叫ばれ
部活動関係は音無の状況でした。

これについては
生徒から提案があるように
工夫すれば
自主的な活動は可能です。













登校にこだわって!


H 登校する場合は、これまで以上に感染防止行動(手洗い・消毒・マスク・三密など)を徹底する。

.

子どもは罹りにくい
【子どもは感染しにくい、感染しても軽症か無症状が多い、日本での死亡例は皆無】


 厚生労働省の公表データ (4/19公表)によると、死亡率100万人あたりの人数は「60歳以上が93.5%」を占めています。

0歳〜=0人、10歳〜=0人、20歳〜=0人、
30歳〜=2人、40歳〜=2人、50歳〜=7人、
60歳〜=21人、70歳〜=50人、80歳〜=87人。
 
 これは、中国のデータ(5/6公表)と酷似。30歳未満は0人。60歳以上が93.3%を占めています。

.


 2020.7.3
対策本部会議において
大阪府は
「感染対策と社会経済活動との両立を目指す」とし
学校については
「感染拡大時においても一斉休校を求めず」と公表しました。
 
過去の対応策について
「休校の効果は疑問」
「児童・生徒の感染は極めて少数」
「休校はかえって子どもの生活の乱れ
保護者への負担増を招いた」と総括。
日本小児科学会の知見(下記)を参照し
今後は以下のような措置を執ることを明言しました。

子ども達の発想の中にも
学校内に感染者が出ない限り
休校は避けて欲しいという願いがくみ取れます。








小児の新型コロナウイルス感染症に関する
医学的知見の現状(抜粋)


 これまでに報告された小児(0−18 歳)のCOVID-19 の報告例(2020 年5月18日現在)から、小児の新型コロナウイルス感染症に関する医学的知見の現状をまとめました。

○ 現時点では、学校や保育所におけるクラスターはないか、あるとしても極めて稀である。

○ 小児では成人と比べて軽症で、死亡例も殆どない。

○ 殆どの小児COVID-19症例は、経過観察または対症療法で十分とされている。

○ 海外のシステマティック・レビューでは、学校や保育施設の閉鎖は流行阻止効果に乏しく、逆に医 療従事者が仕事を休まざるを得なくなるためにCOVID-19死亡率を高める可能性がある。

○ 教育・保育・療育・医療福祉施設等の閉鎖が子どもの心身を脅かしており、小児に関してはCOVID -19関連健康被害の方が問題と思われる。 日本小児科学会 2020.5.20。

.







新型コロナウイルス感染拡大(赤信号)時


◎ 赤信号(感染経路不明・新規陽性者・重症病床使用率などが基準以上)になった場合

 =休業を求める施設は「クラスター発生施設」「感染拡大防止に必要な施設」に限定する。

 =学校は「分散登校」「短縮授業」「オンライン授業」「教室の人数制限15人〜20人程度」「近距離での合唱や演奏は中止」など、周辺の状況に合わせて柔軟に対応する。

◎ 児童生徒・教職員に感染者が出た場合
 =その学校だけ、3日程度臨時休校措置とする。

.










7月に入って
東京を中心に
感染者が急増。
第2派とも言える波がやってきています。
ちょうど学校は夏休みを迎え
当面は問題ありませんが
2学期がガゼン心配になり始めています。

生徒からは
思った以上に幅広い対策が提案されました。

私個人的な意見としては
根拠を含めて
大阪府の対応と同じです。

インフルエンザに近い対応でいいとさえ考えています。
(インフルエンザ罹患率=子どもは約20%)

むろん
こういう個人的な考えは
生徒の皆さんには一切
話していません。



昨年のインフルエンザ患者数=約1,000万人
死亡者=約1万人